実際の話から #1 女性だからダメ?

現場の声

とあるチームで指導されている女性指導者の方から聞いたお話です。

同じチームの男性指導者から「あんな練習しているようじゃダメ」と言われていることを他のコーチから聞きました。すごくショックでしたが、自分の経験不足や不甲斐なさがあるのは間違いないので、アドバイスを仰ぐのですが、こちらの立場や状況を理解することなく、フィット感のないアドバイスを長々とされてしまいます。「選手の質は良いのにもったいない」などの言葉の裏には、お前の指導がダメだから選手が伸びていない、俺がやればもっと上手くさせられるのに選手がかわいそう、という気持ちがあるんだろうなと感じ、すごく嫌な気持ちになります。

このお話を聞いた時、ものすごくわかるなあと感じました。そして他の指導者からもこのような体験談を聞いたことがあることを思い出しました。同じチームの指導者から、あるいは保護者(父親)から女性指導者に対してこのような態度が取られることが実際に起こっています。

それってマンスプレイニング?

マンスプレイニング(mansplaining)とは「man(男性)」と「explaining(説明する)」を掛け合わせた造語です。女は男より無知であるというジェンダー的偏見から、男性が女性に対して偉そうな、見下すような態度で、物事の知識をひけらかしたり、解説したりすることを指します。

あえて男子サッカーと女子サッカーを比べるのであれば、男子サッカーの方が歴史的な積み上げもありますし、その世界に携わってきた方々には様々な知見もあると思うので、そこは否定しませんし、むしろそこから学べることはたくさんあります。そして女子サッカーに関わる女性指導者はまだまだ母数も少ないので、現場での経験不足や知識不足な側面はあっても当然だとは思いますが、それは男女関係ありません。ポイントなのはアドバイスする側がそういった環境や状況を理解しているかどうか、不快な思いをさせていないかどうか、「女性だから」という無意識な決めつけの中でコミュニケーションをとっていないかどうかだと思います。

もし上記のような経験をお持ちの方で、自分はやっぱりダメなんだと自己否定をされている方がいたら、そうではない側面もあると思ってもらえるだけでも違うかなと思います。なお、この行動は決して男女特有のものではなく、キャリアのある女性が男性に対して行うこともありますし、同性同士でも行われるものでもあります。

すべての男性を否定しているわけではありません

このような発信をすると誤解されそうですごく嫌ですが、すべての男性に当てはまるわけではなく、そうでない方もたくさんいらっしゃいます。ただ、「自分はそういうことは絶対していない」と断定するのではなく、もしかしたら自分も‥と一瞬懐疑的になってみることも重要なことではないでしょうか。なぜならこのようなことのほとんどが無意識で行われているからです。

女性スポーツに関わっている=女性に理解がある

というわけでは必ずしもありません。男性だけでなく女性だって一緒です。かくいう私もまだまだ無意識的に差別や偏見をしている部分があると思っています。しかし「私は差別もしないし、偏見も持っていないから大丈夫。選手との関係も良好だ。」そう思ってしまっている方が多いようにも感じています。まずはうっすらとでもいいので、人間関係の裏には様々な社会背景や問題に影響されているものがある、ということを知っていただけるだけでも全然違うと思いますので、目の前の選手や自分のチームに全力投球はもちろんのこと、少し視野を広げて情報を仕入れることにも目を向けていただければと思います。

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